今回はマダニが動物に寄生することで引き起こされる症状や病気についてご説明したいと思います。まずマダニ感染による動物への被害ですが、、動物にマダニが取り付き吸血をすることで、貧血を引き起こします(重度の感染の場合)。また、吸血という行為は他の病原体を媒介する場合も多々あります。ダニが媒介する犬の病気として代表的なものにはバベシア症があります。主に温暖な地方の病気と言われていますが、ダニを媒介して原虫が赤血球に感染することで、毛細血管内で凝固や脾臓での破壊を亢進させ、結果として貧血を引き起こします。ダニは人へも重篤な病気を媒介する寄生虫としても重要です。ダニが媒介する人の病気は多々ありますが、2013年に日本で初めて死亡例が報告されたSFTS(重症熱性血小板減少症候群)もその中の一つです。詳細については多く報道されているので割愛しますが、死亡例も報告される恐ろしい病気なので、動物へのマダニの感染を予防することで、人への感染リスクも減らすことができます。マダニ感染への対策ですが、マダニぼ生息域に立ち入らないということはもちろんですが、当院では駆虫薬のおすすめをしています。駆虫薬も現在は沢山販売されていますが、最近食べるタイプの駆虫薬が発売されました。これから本格的な夏に入り、寄生虫の活動が活発になってきます。アウトドアやレジャーの際には特に予防をおすすめします。気になることやご不明な点があれば、お気軽に当院までご相談して下さい。写真は新しく発売を開始したノミ・ダニの内服駆虫薬とSFTSに関しての新聞記事です。