チビ0001.jpg犬の僧帽弁閉鎖不全症は、左心の心房と心室を隔てる僧帽弁が腫れて閉まりが悪くなります。その結果、血液が心房に逆流して心雑音が発生します。いずれ、心拡大をおこし、咳や運動不耐性が現れます。 さらに進行すると、多くの場合、肺水腫を併発し呼吸困難から死に至る恐ろしい病気です。マルチーズ、ヨークシャーテリア、シーズ、ポメラニアン、キャバリアなどの小型の純血種に多い傾向にあり、遺伝子が原因の一つと考えられています。性差は雄に多く、二次的な物を除き、加齢とともに発生率が増加します。
完治する病気ではないので、進行を抑える治療になります。ヒトでは外科手術や内科治療ですが、犬では外科手術はまだまだ一般的ではなく、薬による内科治療が多いのが現状です。内科治療をして思うことは、心臓の治療に際しうまくいくかどうかは、腎臓がいかに丈夫であるかどうかに尽きます。残念ですが、心臓病は進行性の病気です。お薬の量および種類も増えていきます。副作用が少ない薬もあれば、多い物もあります。肺水腫になると利尿剤(尿を出す薬)を使用します。腎臓の機能が悪いと一気に腎不全が現れるので、使用量を制限せざるを得ない状況になります。写真は僧帽弁閉鎖不全症からくる肺水腫でしたが、腎臓の値がかなり悪かったので、利尿剤を制限して他の薬で改善しました。

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