天野プリン2.jpg本症例はアビシニアン、去勢済み、13歳、トイレに入って踏ん張っているようだが、尿が出ていないという主訴で来院しました。触診でやや大きめの膀胱が確認できました。レントゲン検査(写真上)で円内に結石が確認できました。また膀胱内にも小さい石が確認できます。尿道にカテーテルを挿入したところ、5cmぐらいの所で止まってしまいました。カテーテルに水圧をかけて結石を膀胱内に戻しました。写真下

天野プリン.jpgのサムネイル画像カテーテルを膀胱内に留置し、点滴をおこない緊急処置を行いました。尿道閉塞になると腎機能が悪くなることがありますが、血液検査では異常はありませんでした。2日後、全身麻酔で膀胱結石摘出術をおこないました。手術後は順調に回復し、無事退院いたしました。膀胱結石の分析の結果 シュウ酸カルシウム100%でした。

膀胱結石はいろいろな要因が重なり発症いたします。①食事中のマグネシウム、リン、カルシウムなどの過剰摂取 ②室内飼いで運動不足による水分摂取量の低下③去勢された雄猫④肥満した猫(食事中のミネラルの摂取量の増加) ⑤猫は砂漠地域の動物なので水分の喪失を少なくするため、少量で濃い尿を排泄する体の仕組みになっていることなどです。

 尿検査や超音波検査で膀胱結石の早期発見が可能になりますので、定期的に検査をすることをお勧めいたします。