液体の過度の貯留は身体のほとんどの部位において起こり得る可能性があります。
特に心囊(心臓を包んでいる被膜の内側)や胸の中、お腹の中など漿膜に囲まれた空間には起こりやすいです。
犬では正常な状態でも約0.3mlの心囊水、0〜15mlの胸水、0〜75mlの腹水が存在すると言われています。これらの場所以外にも関節や皮下組織、リンパ節、顔面などにも液体貯留が認められることがあります。
貯まってくる液体は原因によって様々で、漿液様の液体や血液、尿、胆汁、乳び液、膿などが認められます。
写真は腹水で乳び腹水でした。腹腔内の腫瘍によりリンパ循環が阻害され、貯留したと考えられます。
お腹が張ってきた、呼吸が荒いなどあれば、液体貯留の可能性もあります。
もし最近そういった症状に心当たりがあれば、一度ご来院をお勧めします。