今年も、もうすぐフィラリア予防の季節が始まります。ご存知の方が多いとは思いますが、フィラリアは蚊が媒介します。フィラリア仔虫を持った蚊に刺されると、皮膚を通して3ヶ月から半年ほどで成長します。その後、心臓血管内に入り、最終的に心不全をおこして死に至る恐ろしい感染症です。地域により予防時期は異なりますが、蚊の発生する5月から11月まで月に1回「予防」します。例えば回虫などの消化管内寄生虫は、予防というよりは感染した後の治療(便の中に動く寄生虫がいて感染を知り、駆虫薬を投与)が主です。それは駆虫された寄生虫の出口(肛門から)があるからです。それに対して、フィラリアは主に心臓内を含む血管内寄生であり、フィラリアの親虫を駆虫しても寄生虫の出口がない為、「予防」が重要になります。「予防」と書きましたが、実際はフィラリアの駆虫しています。どうゆう事かと言うと、フィラリアを親虫にさせない様に仔虫の段階で駆虫しているわけです。そのため、月1回の予防の意味は(内服の場合)、投与した日の1ヶ月遡って、その間に感染したかもしれないフィラリア仔虫をまとめて駆虫するので、蚊がいなくなる11月までしっかり親虫にさせない様に「予防」しましょう。 また、予防の前にフィラリアに感染していないか血液検査でチェックするのは、万が一感染していたのにも関わらず、予防薬を投与すると最悪の場合、ショック死をおこす危険性がある為です。当院では5月の末まで、春の血液検査の健康診断と共にフィラリアの検査を実施しております。8時間の絶食で(飲水可)、予約なしに検査できます。