カンノ レニー0000.jpg 脛骨粗面(→の部分)の剥離は幼若齢の犬と猫に多くみられます。脛骨粗面は生後10か月ぐらいまでに脛骨と一体化しますが、それ以前は骨の成長線が存在し、骨としての強度は十分ではありません。それまでの間に外傷や膝関節の過伸展などの力が加わると、脛骨粗面は脛骨より離れていきます。

上のレントゲンではL左の肢の脛骨粗面はRに比べると脛骨から少し離れているのが分かります。この場合、テーピング等で運動制限をし、脛骨粗面が大腿骨の方向(上方)になるべく引っ張られないようにします。約3週間から1か月間今の状態でいれば手術をしなくても大丈夫かと思います。しかし上方へ引っ張られる力が強いと完全に脛骨粗面と脛骨は剥離してしまいます。その場合は外科的手術を行い脛骨粗面を脛骨に固定する必要があります。