チワワJPEG0000.jpg 動脈管開存症は犬に多く、下行大動脈と肺動脈を結ぶ胎生期動脈管が生後も持続的に開存する先天性の心臓疾患です。通常、血圧の高い大動脈から、低い肺動脈(左から右)に血液が流れてしまいます。血行動態は短絡している血管の大きさや肺血管抵抗などにより異なりますが、短絡の血液量が多い場合、うっ血性心不全を引き起こす可能性があります。また、さらに進行するとアイゼンメンジャー症候群(右から左に血流がおこる)を引き起こしてしまいます。一般的にはその短絡している血管を閉じる外科手術をしますが、肺水腫や心拡大が顕著な場合は、薬で管理して安定させてから外科手術を考慮します。上の写真は3ヶ月のチワワで呼吸が速いということで来院されました。レントゲンで肺水腫および胸水が確認され、エコー検査で動脈管開存症と診断されましたが、すでにアイゼンメンジャー症候群を引き起こしており、内科的な治療を施しましたが、残念ながら翌日に亡くなりました。