megu0001.jpg 肺水腫は肺の中に体液が貯まった状態をいいます。原因として、心臓病、体内のたんぱく質が少ない状態、肺炎、毒素、発作や頭部外傷および感電による神経原性など様々です。症状は肺での正常なガス交換が障害され、体は酸欠状態になるために、呼吸回数が速いなどの呼吸困難、チアノーゼ(舌の色が悪いこと)になります。早急に治療を開始しないと死に至る状態です。治療は原因により様々ですが、身体検査で肺水腫が疑われた場合、まず、酸素テントで酸素吸入を行い少しでも体内に酸素を取り入れます。呼吸状態が落ち着いたら、レントゲン検査などを行い、それらの検査結果により治療を開始します。

 上の写真は、12歳の心臓病の犬の半年前の胸部の写真です。中心に見える白く球状の心臓と、その周りに黒く見える肺が確認できます。下の写真は同じ犬の胸部写真で肺水腫の状態です。肺が部分的に白くなっており、心臓と肺の境界がわかりにくくなっています。入院して酸素テント下で治療を行い状態が改善しましたが、今後はお薬の種類および回数が増えることとなりました。

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