犬の中毒物質には様々な種類がありますが、代表格の一つとしてチョコレートが挙げられます。チョコレートには様々な物質が含まれていますが、その中のテオブロミンとカフェインという物質が犬にとって害を引き起こします。今回はまずテオブロミンについて説明します。テオブロミンはある種の代謝酵素の働きを阻害してしまいます。その結果、血圧の上昇や不整脈を引き起こします。また、中枢神経にも作用することで精神不安定の状態から興奮や振戦、痙攣など様々な神経症状を引き起こします。最悪、死に至る可能性も存在します。 中毒量は一般的に250〜500mg/kgですが、多くの場合にははっきりと食べた量がわからないケースが多いので、摂取の可能性が疑われる場合は来院をお願いしています。治療に関してですが、いわゆる解毒薬は存在しません。まず摂取物質の減量と除去が第一に挙げられますので催吐処置を提案させていただいています。ご自宅での催吐の方法も幾つかインターネット上に掲載されていますが、誤嚥の危険性もありますので、ご来院していただいての処置をおすすめしています。これに加え支持療法を行います。中毒に関しては、摂取後の対応はもちろんなのですが、一番の対策は食べさせない環境作りです。犬は甘味に対しての感覚が他の味覚より敏感ですので、チョコレート等はとても魅力的です。ちょっとした油断から口にしてしまうことが多いので、お菓子の管理にはお気をつけください。写真のチョコレートは病院にあったおやつです。スタッフで美味しく頂きました(笑)。何かご不明な点があれば、気軽にご連絡をお待ちしております。dec5b8817b4f21658bf053d4fd5fbe5742438ae2.jpg