329b93edc6fcb01510a2ecd72881a4ef9e8c4702.jpg今回は製薬会社バイエルさんの主催される国際セミナーに参加してきました。 テーマは「犬と猫の腎臓病」です。 腎臓病の診断については過去の記事に詳細がありますので、今回は腎臓治療についてお話しさせていただきます。 慢性腎臓病自体は完治はしません。ですから、いかに病気の進行を食い止めるかが鍵になってきます。 肝心の治療についてですが、 ①食事療法 ②ACE阻害薬 ③皮下補液 ④吸着剤 があります。 今回はこの内、最も手軽にできる①食事療法と④吸着剤についてお話しします。 まず、食事についてですが腎臓病と診断された場合に 制限したほうがいいもの:タンパク質、リン (+ナトリウム)。 追加したほうがいいもの:脂肪、カリウム(特に猫)、オメガ脂肪酸。 以上の食事が良いと言われています。ただし、どちらも過剰に摂取または抑制するのは得策ではありません。あくまでバランスの取れた食品の中で必要最低限な量、または必要十分量な量を摂取することがが重要です。 ホームメイドにて手作りというのは理想的ですが、栄養学的な知識や十分量のバランスのとれた食事にする技術、調理の手間がありなかなか現実的ではありません。そこで、いわゆる腎臓病食をまずオススメしています。 ただ、欠点としては嗜好性の問題です。いくら栄養満点の食事でも、美味しくなくて食べないと言ったら意味がありません。 そこで、次点でオススメしているのが④吸着剤です。これは、薬用活性炭とリン吸着剤になります。一般食にこれを混ぜることによって食事中のリンを吸着し、体内への吸収量を減らしたり、尿毒症物質の発生を抑制したりをします。これであれば、腎臓病食と同等とはいかないまでも、一般食で腎臓のケアが可能と成ります。 腎臓病については早期発見と早期治療が必須だと何度も申し上げていますが、これらの治療の開始時期については適期があります。ですので、何かご不明な点があれば、お気軽にご連絡をお待ちしています。また、12/23まで秋期の健康診断を行なっておりますので、これを機にご利用していただければ幸いです。